― 早期英語ブームの中で、思うこと ―
最近は、英語の早期教育が当たり前のように語られていますよね。
赤ちゃんの耳はどんな言語も聞き取れる。
小さいうちに始めれば、発音も自然に身につく。
そんな話を聞くと、
「やっぱり早く始めないと遅れるのかな…」
と不安になることもあるかもしれません。
私は、中学校に入ってから英語を始めました。
特別得意だったわけではありません。
5段階でいえば、だいたい「4」くらい。
それでも、英語は好きでした。
では、中学から本格的に学ぶのでは、もう遅いのでしょうか?
ネイティブのように話せなければ意味がないのでしょうか。
今日は、私自身の経験を通して、
「英語はいつからでも遅くない」ということを、少しお話ししたいと思います。
ネイティブのように発音できないと、意味はない?
赤ちゃんの耳は、どんな言語の音も聞き分けられると言われています。
たしかに、幼少期から英語に触れることで、英語特有の音を自然に聞き取れるようになる、というのは理にかなっていると思います。
聞こえるから、正しく発音できる。
その意味で、早期に英語に触れるメリットは確かにあるでしょう。
私は中学校に入ってから英語を始めました。
つまり、日本語の音に慣れきった状態からのスタートです。
では、中学スタートでは、もうネイティブのような発音やリスニング力は手に入らないのでしょうか。
正直に言えば、楽ではありません。
たくさん英語を聞き、何度も練習し、時間をかける必要があります。
でも、だからといって“不可能”ではありません。
早期に英語に触れていると、その部分を少しショートカットできるのかもしれません。
ただし、それは長時間英語に触れ続けることが前提です。
日本語でも同じですよね。
幼稚園の発表会で歌った歌は、今でもそらで歌えたりしませんか?
歌詞の意味を深く理解していたわけではなく、ただ何度も聞いて、耳で覚えただけ。
英語の歌も同じです。
繰り返し聞けば、子どもは驚くほど自然に歌えるようになります。
でも――
一曲歌えるようになったからといって、
それだけで「英語が身についた」とは言えません。
発音は大切です。
でも、それがすべてではありません。
英語は、完璧な音を再現することが目的ではなく、
伝え合うための言葉だからです。
そして言語は、音だけで成り立っているわけではありません。
相手の話を理解し、
自分の考えを言葉にして伝える力。
それは、母語である日本語の中で少しずつ育っていくものです。
日本語でうまく説明できないことは、
英語でもうまく説明するのは難しい。
だからこそ、英語を急ぐことよりも、
まずは言葉そのものを大切にすることが、
遠回りのようで近道なのかもしれません。
オリンピックや国際大会を見ていると、
さまざまな国の選手が英語でインタビューに答えている場面をよく目にします。
もちろん全員がネイティブのように話しているわけではありません。
アクセントもそれぞれ違います。
それでも、きちんと伝わり、
世界中の人がその言葉を共有しています。
その光景を見るたびに、
英語は“誰かの母語”というよりも、
“世界の共通語”なのだと感じます。
完璧な発音でなくてもいい。
ネイティブのように話せなくてもいい。
英語は、世界とつながるための道具。
そう考えると、
「正しく話せるか」よりも、
「伝えようとするかどうか」の方が、ずっと大切に思えてきます。
英語ができるようになる、その先に何がありますか?
私は英語が特別得意だったわけではありません。
でも、英語を「好き」だと思えたきっかけは、今でもはっきり覚えています。
中学生のとき、英語の先生が授業で英語の歌を紹介してくれました。
もともと歌うことが好きだった私は、それがとても楽しかったのです。
意味がすべて分かるわけではなくても、
音にのせて英語を口にする時間は、どこか特別でした。
もう一つ、忘れられない記憶があります。
英単語テストを前に、スペルがなかなか覚えられなかったとき、
母が突然、
「T・A・B・L・E!」とリズムをつけて言い出したのです。
「こうやって覚えたらいいねん!」
半ば勢いでしたが、不思議とそれが頭に残り、
私は少しずつスペルを覚えられるようになりました。
今思えば、特別な勉強法ではありません。
というか、めちゃくちゃです。笑
でもそのときの私は、
「なんかようわからんけど、おもろい」
と思い、それ以来、覚えにくい単語が出てくると
変なリズムをつけて覚えるようになっていました。
あの頃の母と私に、フォニックスを教えてあげたい。笑
高校に入っても、私の英語は「普通」でした。
でも、「好き」という気持ちは変わらず、大学では英語を中心に学べる学部に進みました。
大学では定期的にTOEICを受験しましたが、卒業時でも600点ほど。
4年間英語を学んだわりには、決して高いとは言えないスコアです。
ホテルに就職したものの、英語で外国人対応ができるレベルでもありませんでした。
それでも、心のどこかでずっと思っていました。
「ちゃんと話せるようになりたい」と。
そんなときに出会ったのが、「オペア」という選択肢でした。
英語が得意だったわけではない。
でも、好きだった。
その“好き”が、私をアメリカへ連れていきました。
